Snowflake Summit 2026 Day1 キーノートまとめ ~「Agentic Enterprise」時代の幕開け~

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2026年6月1日~4日にサンフランシスコで開催されたSnowflake社によるグローバルで最大のイベント「Snowflake Summit 2026」に参加しました。


会場にて撮影した写真

「Snowflake Summit 2026」は、AIとデータの力で企業はどこまで変われるのか。そんな問いに正面から向き合う大規模カンファレンスです。
本ブログでは、Day1キーノートセッションで語られた「Agentic Enterprise(エージェンティック・エンタープライズ)」のビジョンと具体的な取り組みをレポートします。

「Snowflake Summit 2026」イベント概要

Snowflake Summit は、データ・クラウド・AI 分野で世界屈指の規模を誇るカンファレンスです。今回は 500 セッション、約 700 名のスピーカー、350 組織が参加しました。

本イベントを通して伝えられているテーマは「Agentic Enterprise(エージェンティック・エンタープライズ)」です。
Snowflakeはこのビジョンを掲げて様々な点からサービスを提供し、それを利用したAI エージェント開発が進むことで企業変革を加速できると訴えています。

今回のオープニングキーノートで伝えられたメッセージの中で重視しているポイントは、「エンタープライズデータ」と「コンテキスト」に尽きるのではと感じました。
この二つを整備することで社内の様々な業務のAIエージェントが開発でき、企業の変革を加速できるというイメージになります。
もちろん、そのためにはあらゆるプラットフォームとの相互運用性や、ガバナンスが整備できることが条件となり、そのための機能も拡張されてきています。

Snowflakeにより、大きな変革を遂げている顧客事例

まずはSnowflakeにより大きな変革を遂げている顧客事例の紹介から始まりました。

Canva(キャンバ)のSnowflake活用事例

Canva(キャンバ)は Snowflake AI の活用により、プロダクト開発における意思決定を根本的に変えました。
従来は数週間かかっていたユーザー行動データの分析が、今ではリアルタイムの洞察として得られます。プロダクトマネージャーが会議の場でその場に影響を確認し、新しい広告配信システムへの投資判断もデータに基づいて自信を持って下せるようになりました。

NestléのSnowflake活用事例

Nestlé (ネスレ)は 50,000 人以上・110 のグローバルグループにソリューションを展開。異なるシステムのデータを相互運用・再利用可能な状態に整え、サプライチェーンの混乱予測に活用しています。
「データが事後報告する」運用から、「リアルタイムでプロアクティブな意思決定を駆動する」運用へのシフトが目指されています。

Agentic Enterprise とは


会場にて撮影した写真

本章では、Snowflake社が考える今後の企業/組織のあるべき姿として発表された、「Agentic Enterpriseについてご紹介します。
Agentic」とは AI が自律的に考え、判断し、行動できる性質を指します。従来の受け身の AI から、タスクを与えれば必要な手順を自分で考えて実行する「エージェント」へ、この AI を企業全体に組み込んだ組織が Agentic Enterprise です。

実現に必要な 4 つのコンポーネント が示されました。

  1. Enterprise Data & Context ― 顧客情報・財務データ・取引履歴など、企業固有の情報こそが競争優位の源泉。
  2. AI Models ― Claude(Anthropic)・GPTOpenAI)・GeminiGoogle)・オープンソースモデルなど、ユースケースに応じて選択・切替・組み合わせできる柔軟性を重視。
  3. Software & Application ― Gmail・OutlookSAPSalesforceZoom など日常業務ツールと AI エージェントを連携させ、従来は人手に頼っていた作業を自動化。
  4. Agentic Control Plane ― 複数の AI エージェントが社内を横断して動く際の一元管理・監視の司令塔。全社的なガバナンスと調整を担う。

Snowflake CoWorker と Cortex Code (CoCo)

Agentic Control Planeとして主要な役割を担う2つの機能を取り上げ、紹介されました。

 Snowflake Intelligenceが「Snowflake CoWork」へ

現在、多くのSnowflakeユーザーに利用されている「Snowflake Intelligence」 はナレッジワーカー向けの「パーソナルワークエージェント」として「Snowflake CoWorker」と名称を改められました。
自然言語の指示で複数のアプリをまたいだアクションを実行でき、Slack・Salesforce・Google Workspace・Microsoft Teams などとも連携すします。
採用・営業・マーケティングなど専門スキルを持つよう設計されており、「見るための BI」から「動かすためのエージェント」へのシフトを象徴する機能です。

 Snowflake Cortex Code が 「Snowflake CoCo」へ

本カンファレンスにて開発者向けの AI コーディングエージェント「Snowflake Cortex Code」も「Snowflake CoCo」へ名称を改めることが発表されました。
「Snowflake CoCo」は、自然言語のアイデアをもとにコード・アプリ・AI エージェントを生成・実装します。データエンジニアリングの専門知識がなくてもデータ活用の仕組みを構築できるため、プロトタイピングのスピードが劇的に向上します。CoCoのアップデートも様々行われ、開発者の生産性を向上しています。

このように、エンドユーザーであるナレッジワーカー、その環境を構築する開発者に向けたそれぞれの司令塔であるこれらのAIエージェントを強化することによって、Agentic Enterpriseの実現を加速するビジョンが印象付けられました。
※名称の変更が正式に発表されたのはDay2キーノートですが、すでにオフィシャルな名称となっているため、本ブログにて記載しております。それぞれのアップデートの詳細は後続のDay2キーノートのブログにて解説します。

Snowflakeが解決する「データ統合とガバナンス」

ゲストであるアクセンチュアの登壇者が「クライアントの 85% がデータ問題を抱えている」と語りました。実際、データの分散・サイロ化は Agentic Enterprise 最大の障壁です。
Snowflake の解決策は ① AI による移行の自動化・高速化、② 継続的なデータ同期、③ Open Flow によるデータ共有、④ 設計段階からのガバナンス・セキュリティ・コンプライアンスの組み込み、の 4 本柱になります。
加えてAWS・Azure・GCP をまたぐマルチクラウド対応も特徴となっています。

さらにアプリ連携では SAP・Salesforce との Zero Copy Integration によりデータを複製せず活用できます。
MCP(Model Context Protocol) で AI とシステムをオープンに接続し、買収した Natoma の技術で Google Drive・Gmail・Zoom・GitHub・Microsoft 365 への直接アクセスを実現します。
AIのアクションにも人間の確認・承認を挟む Human-in-the-loop 設計が信頼性の鍵とされました。

Snowflake × Anthropic パートナーシップの発表

昨年12月にSnowflakeAnthropicとパートナーシップを拡大することが発表されました。
Anthropic はモデルに計算処理やデータを与えればもっと良くなるという予測可能なスケーリング法則を根拠に、「今できること」だけでなく「6 ヶ月後・1 年後に何ができるか」を見越した大きなビジョンを描くことを推奨していました。

Trust(信頼)は加速装置である」という考え方も印象的で、信頼の丁寧な設計がむしろ導入・拡大のスピードを上げると主張しています。
決済企業 Block では両社の技術を組み合わせ、リアルタイム決済処理から新たな洞察を得ることに成功しています。

まとめ

AI の役割は「答えを返すツール」から、複数のシステムを横断してデータを参照・アプリを操作し業務を自律的に進める「エージェント」へと根本的に変わりつつあります。
Sanofi の事例が示すように、今後は既存ワークフローに AI を乗せるだけでなく「AI ネイティブな業務フローへの再設計」を行うことが必須のプロセスになっていきそうです。

登壇者は最後に、「すべての組織の前に巨大な機会がある。段階的でもよいが、変革に向けて確実に歩みを進めることが求められている」と語りました。
“Welcome to the Agentic Enterprise.” この言葉が、参加者へのエールであり、業界全体への宣言でもあったように感じます。

 本記事は、202664日時点の情報をもとに作成しています。製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、弊社Webサイトからお問い合わせください。
https://data-management.dentsusoken.com/snowflake/inquiry/

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是非、こちらのテックブログもご覧ください。
https://zenn.dev/p/datatechblog