Snowflakeとは? 特徴やDWHとの違い、事例をご紹介

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昨今、データ活用ソリューションとして「Snowflake」が注目を集めています。
Snowflakeは、クラウドベースのデータウェアハウス(DWH)製品という印象が強いのではないでしょうか?
現在、Snowflakeは、自身を「AIデータクラウド」という従来のデータウェアハウス(DWH)製品とは一線を画す概念のサービスであると標榜しています。

本ブログ記事では、「Snowflakeがなぜ注目を集めているのか?」、「Snowflakeの機能概要や特徴は何なのか?」、「各クラウドベンダーが提供するデータウェアハウス(DWH)製品と何が違うのか?」などの疑問に答えるべく、AIデータクラウド:Snowflakeについてわかりやすく解説します。

Snowflakeとは?

Snowflake(スノーフレーク)は、米国Snowflake Inc.が提供するクラウドベースのデータプラットフォームです。
Snowflake
は、SaaS型のクラウドネイティブなデータウェアハウスとして2014年に登場しました。データの保存・処理・共有・分析を単一のプラットフォームで実現することで、組織内外に分散したデータサイロ化を解消します。

Snowflakeは、マルチクラウドに対応しており、Amazon Web ServicesAWS*/Microsoft AzureAzure**/Google Cloud PlatformGCP)の3つの主要クラウドプラットフォームのインフラ上で提供されています。
*「SnowflakeとAWSでデータ分析基盤を構成するポイントとは?」にて詳しく解説しております。
**「SnowflakeとAzureでデータ分析基盤を構成するポイントとは?」にて詳しく解説しております。

近年はAI機能が強化され、DWHとしての役割を超え、容易かつ効率的で、信頼性の高いエンタープライズAIを実現するための「AI Data Cloud」へと進化しています。
Snowflake
のコンセプトの進化や「AI Data Cloud」については後述にて、さらに詳しくご紹介します。

Snowflake Inc.とは?

Snowflake Inc.は、2012年にアメリカ カリフォルニア州で設立されました。設立以来、先進的なテクノロジーで、世界的な注目を集めています。
そんな昨今注目のSnowflake社には日本法人があります。Snowflake社の日本法人であるSnowflake合同会社は2019年に設立されており、202581日付で浮田 竜路氏が社長執行役員に就任します。

また、日本法人があるだけでなく、Snowflake社が提供するヘルプマニュアルや、Web管理画面のGUIは、日本語対応が行われています。さらにSnowflake社は日本のクラウドリージョンをサポートしているため、「データを日本に保存したい」という要件に応えることができます。日本法人の設立後、年々、日本国内での知名度も高まっており、20253月時点で、グローバルで12,000社超、日本国内でも約700社以上の企業で採用されている実績があります。
そのため、データプラットフォームの検討にあたり、Snowflakeを一つの選択肢とする日本企業が増えています。

Snowflake特徴

日本国内でも豊富な採用実績のあるSnowflakeですが、一体どのような特徴があるのでしょうか?
Snowflake
の主な特徴として次の3つをご紹介します。

  1. 独自のアーキテクチャ
  2. フルマネージドサービス
  3. データシェアリング

Snowflakeの特徴①独自のアーキテクチャ

Snowflakeは、データを保管するストレージと処理を実行するコンピュートを分離した設計を基盤とし、単一のデータを複数のコンピュートから並列利用できる「マルチクラスタ・シェアードデータ・アーキテクチャ」を採用しています。
このアーキテクチャにより、用途ごとにコンピュートを分離しながら同一データを利用できるため、複数の処理を同時に実行しても互いに干渉しません。
また、インフラやデータベース管理がサービスとして提供されるため、ユーザーはインフラ設計を意識することなくデータ活用に集中できます。

ストレージとコンピュートが分離独立しているメリット

  • コスト最適化
    ストレージとコンピュートが分離されているように、コストもデータ量に準じたストレージ課金であり、コンピュートも秒単位利用時間によるクレジット課金のように独立しているため、コストの最適化が可能です。
  • スケーラビリティ
    ストレージとコンピュートが分離されているため、
    ・データ量が増えたストレージだけ増やす
    ・処理が重くなったコンピュートだけ増やす
    のようにスケールをそれぞれ調整でき、柔軟なスケールアップができます。

また、Snowflakeのコンピュートをつかさどるクラスタは、「Warehouse(ウェアハウス)」と呼ばれ、「Virtual Warehouse」と呼ばれる単位で提供され、用途ごとにコンピュートを分離することができます。
これにより、ETLBI、データ分析など複数の処理を同時に実行しても互いに干渉せず、多くのユーザーが同時に利用しても安定した性能を維持できます。
さらに、用途ごとにWarehouseのサイズやスケール設定を変更できるため、柔軟なリソース管理が可能です。

Virtual Warehouseによるメリット

  • 複数の処理が同時に走っても互いに干渉しない
    用途ごとにコンピュートが分離しているため、ETLBI・分析など複数の処理が同時に走っても互いに干渉しません。これにより、業務ごとの処理を安定して運用できます。
  • ユーザーが増えても処理性能が落ちにくい
    多くのユーザーが同時にクエリを実行した場合でも、マルチクラスター機能によりコンピュートを拡張することで処理性能を維持できるので、ユーザーが増えても性能が落ちにくいです。
  • 柔軟なリソース管理によりコストと性能を調整可能
    用途ごとにVirtual Warehouseのサイズやスケール設定を変更できるため、処理内容に応じてコストと性能を調整することができます。

Snowflakeのアーキテクチャについては「Snowflakeのアーキテクチャの構成要素・機能・特徴とは?」にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

Snowflakeの特徴②フルマネージドサービス

Snowflakeは、運用に必要な作業がサービスとして提供されるため、ユーザーのインフラ設計と運用管理の負荷が軽減されます。
例)インフラ管理、スケーリング制御、可用性・DR(災害復旧)設計*、ソフトウェア管理、セキュリティ&ガバナンス基盤など

フルマネージドサービスによるユーザーが受けられるメリット

  • 常に安定したパフォーマンスでデータ活用できる
  • 運用負担なくデータ活用に集中できる
  • 業務を中断することなく、最新機能を利用できる
  • 統制を維持しながら安全にデータ活用することができる
  • 業務停止リスクを最小化することができる

Snowflakeの耐障害性については、「Snowflakeの耐障害性とは? ~マルチAZでの耐障害性について解説~」にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

Snowflakeの特徴③データシェアリング機能

Snowflakeには、データをコピーすることなく、必要なデータのみを相手に合わせて参照させることができるデータシェアリング機能が存在します。
「Secure Data Sharing」と呼ばれる仕組みにより、データは提供元に保持されたまま参照されるため、コピーや移動を伴わないデータ共有が実現できます。
これにより、組織内外の相手と、ガバナンスを維持したセキュアな方法でデータを共有することが可能です。

データの共有方法*

  • Direct Share(直接共有):特定アカウントにデータを共有する方法
  • Listings(リスティング):カタログ形式でデータを公開・配布する方法
  • Data Exchange:企業グループ/研究機関/業界コンソーシアムなどの特定コミュニティでデータを共有する方法

Snowflakeのデータ共有については、「Snowflakeのデータシェアリング(データ共有)機能とは?データ共有の仕組みを解説」にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

データシェアリングによるメリット

  • データ連携にかかる工数削減
    共有設定だけでデータ共有できるので、データ連携の仕組みを構築する工数が削減できます。
  • データ活用のスピード向上
    データをコピー/移動/加工しなくていいので、分析開始までの時間が短く、組織内外で迅速にデータ活用を進めることができます。
  • 最新のデータが活用可能
    従来のデータ共有方法では、コピーしたデータが古くなるといったことが発生していましたが、Snowflakeは元データを参照できるので、常に最新のデータを用いて分析できます。
  • ガバナンスの維持
    データ自体は提供元に残るので、アクセス制御/権限管理/共有範囲を
    提供側がコントロールでき、ガバナンスを維持したまま安全にデータ共有できます。

Secure Data Sharing」をグローバルに拡張するネットワーク基盤は「SNOWGRID」と呼ばれています。これはSnowflakeアカウント同士を接続するグローバルネットワーク基盤で、これによりリージョンやクラウドを跨いだデータ共有が可能となります。

SNOWGRIDにより実現できること

  • クロスクラウドデータ共有:クラウドプラットフォームが異なるSnowflakeアカウント同士でもデータ共有できます。
    例:AWS Snowflake → Azure Snowflake
  • クロスリージョン共有:異なる国のSnowflakeアカウント同士でもデータ共有できます。
    例:東京リージョン → USリージョン
  • マーケットプレイス*Snowflake Marketplaceを通じて、外部企業が提供するデータを利用できます。

*マーケットプレイスについては、「Snowflake マーケットプレイス とは?データ共有で広がる世界」にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

Snowflakeコンセプトの進化 「AIデータクラウド」に込められた意味とは?

Snowflakeの特徴はご理解いただけたかと思いますが、標榜している「AIデータクラウド」には、一体どのような意味が込められているのでしょうか?

Snowflake concept

Snowflakeは、これらのポイントを踏襲しながら、様々な機能追加や適用経験を経て、元々クラウドデータウェアハウスと言っていたものから、クラウドデータプラットフォーム、そしてデータクラウドというように、製品やメッセージを進化させてきました。

 

近年、生成AIの登場により、AI活用はビジネスにおいて必要不可欠な要素となりました。Snowflakeにもまたモデルの開発運用やLLM関連機能・アプリケーション開発等のAI活用に必要なサービスが搭載されるようになりました。そのような背景からも、SnowflakeAI活用のためのデータプラットフォーム「AIデータクラウド」へと呼称を変え、進化を続けています。

Snowflakeが「一般的なデータウェアハウス(DWH)製品の領域を超えたデータ活用基盤であり、新しい概念を持つサービス」=「AIデータクラウド」であると定義されている意味が、ご理解いただけたものと思います。
Snowflakeの対話型AI分析機能について「Snowflake Intelligenceとは?~概要から特徴、使い方まで解説~」にて解説しておりますので、あわせてご覧ください。

SnowflakeとDWH製品の違い

従来のデータウェアハウス(DWH)製品との差別化ポイントから読み解いていきましょう。

Snowflakeと従来のデータウェアハウス(DWH)製品との差別化ポイント

Snowflakeが従来のデータウェアハウス(DWH)製品と異なるポイントは次の通りです。

  • 構造化/半構造/非構造のあらゆるデータを取り込み、一元管理が可能
    一般的なデータウェアハウス(DWH)は、構造化データのみを取り扱いますが、Snowflakeは、半構造/非構造のデータの蓄積&検索が可能です。
  • 自社のデータ統合だけでなく、グループ企業/社外パートナー/オープンデータの活用も可能
    データシェアリング機能を活用することで、1st Party Data(自社データ)に加え、2nd Party Data(ビジネスパートナーのデータ)や、Snowflakeマーケットプレイス上に公開されている3rd Party Data(オープンデータ)をセキュアに取り込み、シームレスな分析業務を行うことが可能です。
  • 自社のデータをSnowflakeマーケットプレイス上に公開し、収益化を目指すことも可能
    データを利用するだけではなく、データのビジネス化というような、将来の展望までを見据えることができます。

Snowflake のデータウェアハウス(DWH)としての評価は?

Snowflakeは、クラウド上のあらゆるデータを共有/活用可能なプラットフォームであることはご理解いただけたかと思いますが、従来のデータウェアハウス(DWH)製品とレスポンスや機能の面で比較した場合はどうでしょうか?

その場合でも、レスポンスの面において、Snowflakeに優位性があると考えています。なぜなら、データを保管するストレージ層と処理を実行するコンピュート層が分離独立したSnowflake独自のアーキテクチャにより、ETLツールやBIツールなどのワークロード単位で処理性能や並列度を秒単位で定義でき、BIなどのツール利用者の同時接続数の増加にも自動で対応できるからです。
このような、データウェアハウス(DWH)としてのレスポンス性能を評価したい場合には、PoCがおこなわれることがあります。PoCにより、特定のETLツールやBIレポートのレスポンスを測定し、既存のデータウェアハウス(DWH)製品や他のデータウェアハウス(DWH)製品と比較したり、Snowflake導入後の利用料金をシミュレーションしたりします。データウェアハウス製品の選定プロセスにおいて、PoCの実施要否はあらかじめ決めておくとよいでしょう。

※ご参考(PoCのステップ/環境例):https://data-management.dentsusoken.com/snowflake/service/poc/

Snowflakeの導入事例

Snowflake導入事例:西本Wismettacホールディングス株式会社
Snowflakeでグループ全体の データ統合と活用を推進 グローバルでの事業成長を加速

詳細はこちらからご覧いただけます。

課題

  • 世界44拠点で事業を展開しており、各拠点のシステムが異なるため情報が分断(=サイロ化)していた
  • グループ全体の事業状況を俯瞰できず、データに基づく意思決定が難しい状況だった
  • AIによる需要予測や業務自動化など、今後の成長のためにグローバルのデータに基づく意思決定を支える仕組みが必要だった

データ統合基盤の構築

  • Snowflakeを活用し、世界44の拠点の仕入・販売データを統合するデータ基盤を構築

Snowflakeの導入効果

  • 一つのプラットフォーム上にデータが一元化されたため、データの収集や分析の負荷が軽減
  • AIによる異常検知を活用し、これまで数時間かかっていた二重払いチェックが瞬時に実施可能に
  • Marketplace(マーケットプレイス)の外部データ(為替・気候など)と組み合わせた分析により、営業戦略の高度化が可能に

本事例におけるSnowflakeのポイント

今後の展望

  • 事業や国を超えたグループ全体のデータを活用した組織横断のデータ分析の推進
  • Snowflake Cortexを活用した自然言語によるデータ分析や数万件におよぶ商品データの一括多言語翻訳

まとめ

ここまで、Snowflakeの概要について解説して参りました。
最初に、Snowflakeの主な特徴として、ストレージとコンピュートを分離した独自アーキテクチャ、フルマネージドサービス、データシェアリングをご紹介しました。次に、SnowflakeAIデータクラウドと呼ばれる理由とその意味、従来のデータウェアハウス(DWH)製品とは異なるポイントについて解説しました。

データ活用のスタート~運用/改善~拡張までの各段階で抱える課題は異なりますが、Snowflakeは、上述の特徴を活かし、どのような段階の課題をも解決可能なソリューションです。それが、Snowflakeが多くの企業で採用されている理由と言えるでしょう。

本ブログ記事が、多種多様なデータを活用していくためのデータプラットフォーム製品の選定にあたり、皆さまの検討の一助になりましたら幸いです。

弊社電通総研は、データマネジメントの専門家として、お客様のデータ一元管理やデータ活用における戦略策定、データドリブン経営の実現に向けた真の“使える”データマネジメント基盤構築のご支援をしております。
データ分析基盤の豊富な構築実績に基づくノウハウを体系化したサービスをご提供しておりますので、データ活用でお悩みの際は、是非、電通総研までお声掛けください。

◆ お問い合わせページ:https://data-management.dentsusoken.com/snowflake/inquiry/

本サイトのブログ記事に加え、Snowflakeを中心としたデータエンジニアリング関連の技術的な情報を掲載したテックブログもWeb公開しております。
是非、こちらのテックブログもご覧ください。
https://zenn.dev/p/datatechblog

*本記事は、2025年7月1日時点の情報を基に作成しています。
 製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。