【Treasure Data CDPWorld 2025 体験レポート】 CDP×AI Marketing Cloudへと進化するTreasure Data(Vol.009)
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2025年10月に開催されたTreasure Data社による大型イベント「CDP World」に参加しました。最新動向や注目トピックスなど、最前線の様子をわかりやすくレポートします!
Index
CDP Worldとは?
「CDP World」とは、Treasure Data社が年に一度開催している大型イベントです。Treasure Data社のユーザー企業、パートナー企業が参加し、最新情報の発表やユーザー企業の活用事例が紹介されます。キーノートでは、Treasure Data社 CEO 太田一樹氏の基調講演をはじめ、Universal Music Groupのチーフグローバルデータ&アナリティクスオフィサーであるナラス氏、公式スポークスパーソンのサッカー元日本代表キャプテン吉田麻也 氏など、多彩な登壇者が会場を盛り上げました。2025年の「CDP World」はアメリカのラスベガスで開催されましたが、海外からの参加に加え、日本国内からの参加も多く、会場内には日本企業向けセッションをまとめたJapan Trackのエリアも設けられていました。
CDP Worldトピックス①CDP×AI Marketing Cloudへと進化するTreasure Data
下図は、Treasure Data社が今回発表した将来的なプロダクトビジョン です。

まず、Treasure Dataの根幹はこれまでもこれからも変わらず、図の下段にある「CDP」で示されているようにバッチ処理/リアルタイム処理/ゼロコピーといったデータ処理基盤と、ID統合/アクティベーション・セグメンテーション/機械学習といった顧客データ活用の機能です。
そのうえでTreasure Data社は今回、以下の2点を発表しました。次の章から各機能をご紹介します。
- CDP上に5つのAIネイティブアプリケーション(AI SUITE)を配置し、AIネイティブなマーケティングアプリケーション(AI Marketing Cloud)を展開
- AI SUITEの小型エージェントを束ねて制御し、マーケティングキャンペーンPDCAを指揮する親エージェント(Marketing Super Agent)
CDP Worldトピックス②5つのAIネイティブアプリケーション( AI Marketing Cloud)
①Engagement AI Suite
コンテンツの作成・管理・配信までを行うマーケティングオートメーション機能です。こちらは既にTreasure Data上で使用できるEngage StudioやCustomer Journey Orchestrationの機能で、デモではAIがキャンペーン設計を自動生成してくれました。

②Creative AI Suite
画像やメール本文等コンテンツを作成する機能です。デモでは関連キーワードに合わせて画像を自動生成したり、文体をユーザーに合わせて調整し、より親しみやすいトーンへ変換することも可能でした。

③Personalization AI Suite
多数のセグメントパターンに対して、適切なコンテンツバナーを提案する機能です。デモではセグメントパターンに応じてWebページで表示する画像をAIが作成・選定したり、サイト来訪時には属性に応じて表示内容を出し分ける様子も確認できました。

④Paid Media AI Suite
広告キャンペーンの立案・媒体ごとの予算配分、またキャンペーン結果に応じた予算再配分を提案する機能です。

⑤Service AI Suite
顧客との問い合わせ対応の履歴や顧客の属性からAIがパーソナライズされた対応を提案し、その後の顧客とのコミュニケーションまで支援する機能です。

CDP Worldトピックス③AIエージェントの未来
MarketingSuperAgentは、5つのAI Suiteを指揮し、一貫したマーケティングのキャンペーンを実現します。
デモでは、マーケターが指示するだけで情報収集や分析、スライド作成まで自動で実施し、キャンペーン施策の設計や実装まで行っていました。

また「10億の顧客に対し、10億のAIエージェントを」を構想として掲げており、各顧客にAIエージェントが伴走する未来像も示されていました。
まとめ~CDP「Treasure Data」と作る未来の顧客体験~
本ブログ記事では「Treasure Data CDP World 2025」において、発表された新機能を中心に解説してまいりました。
今回のイベントで、Treasure DataがCDPだけでなく、マーケティングツールとしての役割もAIを中心に実現していくことがよく理解できました。よりリッチでパーソナライズされた顧客体験の実現に向けて、Treasure Dataが着実に進化していることがうかがえます。
当日の会場ではTreasure Data社の日本社員の方は和柄の法被を着用されていてお声がけしやすく、困ったときにすぐ相談できるサポート体制も整っていました。またイベントはラスベガスでの開催にもかかわらず、軽食としておにぎりを準備いただくなどのおもてなしが非常にありがたく感じました。最先端のAIテクノロジーを掲げるTreasure Dataですが、その洗練されたプロダクトの裏側に、お客様やパートナーを大切にする社員の方々の存在があることを改めて実感しました。
次回はマイアミでの開催となるそうです。来年私も参加できたらいいなと期待しつつ、ぜひ皆さんも機会があれば参加してみてください!
また、製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。
◆ お問い合わせページ:https://data-management.dentsusoken.com/treasure-data/inquiry/
*本記事は、2025年10月30日時点の情報を基に作成しています。
【筆者】
氏名:星野 友希(ほしの ゆき)
経歴:
2021年、株式会社電通総研入社後、
デジタルマーケティング領域のソリューションエンジニアとしてTreasure Dataを中心としたマーケティングプラットフォーム開発に従事。
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