自動車メーカーが一貫した顧客体験を実現する方法とは?業界特有の課題とTreasure Data活用のユースケースをご紹介
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近年、自動車メーカーをはじめとする製造業を取り巻く市場・社会・経営・技術の変化は激しく、先行きが不透明なビジネス環境が続いており、従来の経験や勘に頼る意思決定では対応が難しくなっています。
そのため、タイムリーな顧客動向の分析、One to Oneマーケティングの実現はより一層重要性を増しています。
そこで本ブログでは、自動車メーカーにおけるTreasure Data活用術を解説します。
なお、本ブログは自動車メーカーと同様に、担当営業による顧客アプローチを行っている高額商材を取り扱っている企業や法人向けのビジネスを行っている企業にも参考になる内容となっております。
業界環境の変化と顧客データの重要性
自動車メーカー業界は、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)といった「CASE」と呼ばれる新しい領域で技術革新、SDV(Software Defined Vehicle)の進展により大きな転換期を迎え、従来の「良いクルマを作って売る」モデルから、利用体験やサービス価値を継続的に提供するビジネスへと変化しています。
この環境下で重要性を増しているのが顧客データです。
車両の利用状況や購買履歴、デジタル接点で得られるデータを活用することで、顧客一人ひとりに最適化された提案やアフターサービスが可能になります。
また、データに基づく開発や品質改善は、競争力強化にも直結するため、今後自動車メーカーにとって顧客データは単なる情報ではなく、持続的成長を支えるコア資産と言えるでしょう。
業界特有のデータ構造と現状の課題
自動車メーカーのような古くからデータ収集を行っている企業は、様々な部門に分かれてビジネスを最適化してきた傾向にあります。
そのため、顧客に関連するデータ1つを取っても、販売店システム、車両登録情報、メーカー本体主導のキャンペーン情報、アフターサービス、コネクテッドカーデータなど複数のシステムに分散して管理されていることが散見されます。
さらに、車両単位、契約単位、オーナー単位など管理軸が多く、データを横断的に扱いにくい構造になっています。その結果、一貫したデータに基づくサービス提供のハードルが高くなっています。また、関連会社間の必要なデータ共有やデータクレンジングが不十分なケースも多く、データ活用が進まない要因となっています。

今後は、業界特性を踏まえたデータ統合と構造再設計の必要性がさらに増してくると想定されます。
自動車メーカーでのTreasure Data活用ユースケースをご紹介
弊社も取り扱っているTreasure Dataは、前述の「一貫した顧客体験」のために必要となる「データの収集・統合・活用」が強みの1つです。
本章では自動車メーカーでTreasure Dataを活用いただいた事例をご紹介します。
Case1:販売店向け営業支援の実現
背景
- 自社グループ全体のデータを統合し、車販売や新規モビリティサービスへ活用することを検討
- その中でも、車販売ビジネスの重要な顧客接点である全国の販売店に対しては、データに基づく営業活動の効率化とパーソナライズ化された顧客アプローチを行ってもらうことで、更なる販売促進を検討
各販売店が最適なデジタルマーケティング活動としてPDCAサイクルを回すためには、「データ可視化」と「あらかじめ自動化されたアプローチ」を自動車メーカー本体が集約・提供する必要がありました。

この課題に対して、顧客データに車両の移動ログ、ライフステージを表す3rdPartyデータなどを統合し、販売店向けの顧客視える化とMA機能を提供しました。
導入効果
- 統合したデータの可視化による効率的な営業を実現
- マンパワーでは実現不可能なメール/SMSによる継続的なフォローを実現

Case2:ビジネス部門向けデータ活用基盤の提供
背景
- 部門やチャネルごとのマーケティング施策に課題感あり
- 社全体として一貫した分析・コミュニケーションを行い、より優れた顧客体験を提供するためのデータ基盤構築を検討
マーケティング活動推進にあたり、一連の業務プロセスに多くの手作業が介在していたため、データ品質の強化とマーケターがエンジニアに頼ることなく施策実行できる環境が必要でした。

この課題に対して、車両センサ情報などを含む100近いインターフェースを統合、高精度な顧客分析・UIベースのセグメント機能を提供しました。
導入効果
- IT部門主導で整備されたデータは、セールス/マーケティング部門がエンジニアを介さずに活用できる状態を実現

まとめ
ここまで、自動車メーカーにおけるデータ活用について解説してまいりました。
最初に「業界環境の変化と顧客データの重要性」「業界特有のデータ構造と現状の課題」を説明し、次に具体的なユースケースについて紹介しました。
自動車メーカーにおいてTreasure Dataはデータの収集・統合・活用にあたり強力なツールとなりえます。自動車業界では他にもデータの統合・活用に関する様々な課題がありますが、多種多様なデータを活用していくためのデータプラットフォーム製品の選定にあたり、皆さまの検討の一助になりましたら幸いです。
電通総研では、CDP・顧客データ活用のプロフェッショナルとして「これからの顧客体験を発想して創る」ためのご支援をしております。豊富な実績・ノウハウを体系化し、課題整理からツールだけでは解決困難な課題に対する解決まで、CDP構築の一連のサービスをご提供しておりますので、お悩みの際は、是非、電通総研までお声がけください。
◆ 電通総研Treasure Dataソリューション一覧
CDP構想策定
– CDP Pathfinder
– ロードマップ/RFP作成
– PoC支援
CDP構築/運用
– Quick Activation Pack
– カスタマイズCDP構築
*本記事は、2026年4月1日時点の情報を基に作成しています。
製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。
◆ お問い合わせページ:https://data-management.dentsusoken.com/treasure-data/inquiry/
<筆者>
氏名:及川 賢(おいかわ けん)
経歴:
2016年、株式会社電通総研入社後、
デジタルマーケティング領域のソリューションアーキテクトとして複数の案件に参画し、
Treasure Dataを中心としたマーケティングプラットフォーム開発、コンサルティングに従事。
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