CDPの必要性

製品の優位性は簡単に模倣されてしまう時代において、各社は顧客体験で付加価値を加えて差別化を図るようになっています。下図は14市場の950人以上のCMOを対象に電通グループが独自で調査した結果です。多くのCMOが「一貫性のあるカスタマージャーニー」や「真のパーソナライゼーション」の実現こそ、顧客体験創造における重要課題と認識し、日々取り組んでいます。

では、そのような時代において、CDPはなぜ必要なのでしょうか?電通総研は「顧客体験創出における課題をマーケターをはじめとしたビジネスユーザー自身が解決できるようにするため」と考えています。

CDPに求められる機能

顧客体験におけるリアルタイム性の重要性や、生成AIやデータクリーンルームなどの技術進化に伴って、CDPに求められる機能も少しずつ変わってきています。電通総研は、昨今のCDPで求められる機能を下図のように定義しており、この概念モデルをベースに様々なプロジェクトでCDPソリューションの提供を行ってまいりました。

概念モデルで示した各機能概要は次の通りです。

カテゴリ
機能
説明
データ収集
Webタグ/アプリSDK
バッチ取込
リアルタイム取込
Zero-Copy接続
外部データ拡張
データクレンジング
Webサイトやモバイルアプリから、PageViewなどの行動ログを取得するSDK
数時間~日次レベルの頻度で、ファイル/API/DB接続などの方法を用いてデータを取得する機能
数ミリ秒~数分レベルの頻度で、API/Webhook/CDCなどの方法を用いてデータを取得する機能
CDPには実データを保持せず、データウェアハウスに直接クエリを投げて都度データを取得する機能
外部企業が提供するデータ(例:気象情報/ライフステージ)を取得する機能
データソースから取得したデータに対して、システム的なデータクレンジング処理を行う機能(例:空白除去/データ形式の統一)
データ蓄積
バッチデータベース
リアルタイムデータベース
データ取得や利活用において、大量データを定期間隔で効率良く処理することに最適化されたDB
データ取得や利活用において、低レイテンシーで処理することに最適化されたDB
データ統合・集計
ID統合
ビジネスロジック集計
顧客データモデリング
顧客予測
名寄せ機能(複数データソースから取得された顧客レコードをメールアドレス/氏名などの個人情報から同一人物と判定する機能)
ビジネスロジックに応じたデータ加工・集計機能(例:RFM算出、会員ランク算出)
顧客のマスタデータ(例:会員属性)とトランザクションデータ(例:購入履歴)のリレーションを定義する機能
予測AI・ML(機械学習)の手法を用いたスコアリング機能
データ利活用
セグメンテーション
顧客プロファイル可視化
アクティベーション
データ取得API
データクリーンルーム
AIエージェント
セグメント条件の設定・管理をノーコードで実行できるGUI機能
顧客の属性や行動履歴に関する傾向を事前定義したルールに基づいて可視化する機能
セグメント等のデータをノーコードでデータ利活用先のシステム・ツールに連携できるGUI機能
データ利活用先のシステム・ツールがCDP内のデータをリアルタイムで直接参照できるAPI機能
プラットフォーマーが提供するセキュアなデータ共有・解析環境へCDPのデータを連携する機能
生成AIの技術を用いた、対話型でマーケティング分析や施策の設定・実行までを行う機能
データ管理支援
データパイプライン
オーケストレーション
データ権限管理
メタデータ管理
コスト管理
監査ログ
開発支援
データ収集/統合・集計/利活用における各処理の実行順序を定義するワークフロー機能
ユーザーロールに応じた個人情報項目の閲覧範囲制御や、実行可能な操作範囲制御を行う機能
データ内容を説明するデータの管理機能(生成AIの精度向上やデータカタログ化において必要)
ライセンスコスト自体や、コストに影響するパラメータ(例:レコード数)の管理機能
監査ログの取得機能
テスト・リリースを支援するCI/CD機能やデータフローを可視化するリネージ機能など

CDPの構築パターン

昨今の技術を活用したCDP構築のパターンは大きく2つあります。

  • Standard CDP型:CDPに必要な機能すべてをCDP製品が担う
  • Composable CDP型:企業の様々なデータを統合管理するDWH(データウェアハウス)にCDP特有の機能をアドオンする

  • CDPがデータの収集・統合・集計~施策に関するビジネスロジック管理/連携まですべて担う
  • DWH/CDP双方に求められる要件に柔軟に対応しやすい
  • DWH/CDP間で類似のELT処理/データを保持してコスト最適ではない状態にならないように注意が必要

  • データの収集/統合/集計はDWHで一元管理し、CDPは施策に関するビジネスロジック管理/連携に特化する
  • DWH/CDPの役割分担が明確化され、トータルコスト最適化やメンテナンス性の向上、障害リスクの低減が期待できる
  • DWHを整備することがポイント

これらのCDPに関する技術情報と自社のビジネス要件を照らし合わせて、機能構築範囲の判断や構築パターンの見極めを行うことがプロジェクト初期段階では非常に重要となります。このような構築のポイントを解説した資料を纏めておりますので、詳細に知りたい方はぜひ資料をダウンロードしてみてください。

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