Treasure AI のMA機能とSalesforce Marketing Cloud を徹底比較!選定基準を解説
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MA(マーケティングオートメーション)ツールの選定において、「顧客データを持つ基盤とメール配信の基盤をどう組み合わせるか」は多くの企業が悩むポイントです。従来はCDPで作ったセグメントをMAツールへ連携するのが一般的でしたが、Treasure AI(2025年6月にメッセージ配信機能「Engage Studio」をリリース)を使えば、セグメント作成から配信、効果測定までを一つのツールで完結させることができます。
一方で、MA専用ツールとして実績のあるSalesforce Marketing Cloudと比べたとき、実際の施策運用でどこまで置き換えられるのかは判断が難しいところです。
そこで本ブログでは、実際に両ツールを検証した結果をもとに、Treasure AIのMA機能とSalesforce Marketing Cloudの特徴を解説します。
なお、Salesforce Marketing Cloudは製品群のため、今回の比較対象製品はBtoC向けの「Marketing Cloud Engagement」とし、メール配信を中心にご紹介します。
1分でわかる!Treasure AI のMA機能と Salesforce Marketing Cloud比較の要点
- Treasure AI: CDP基盤がベース。大量の顧客データを活用し、セグメント作成から配信・効果検証までをワンプラットフォームで完結したい企業向け。
- Salesforce Marketing Cloud (Engagement): MA専用機能が充実。コンテンツ承認フローやA/Bテスト勝者判定、複雑な複数チャネル連携を行いたい企業向け。
Treasure AIのMA機能とは?
Treasure AI は、従来のTreasure Data CDPが持つ顧客データの収集・統合・セグメント作成機能に、AIエージェントによる分析支援やマーケティング施策実行支援を加えたプラットフォームです。
MA領域では、顧客データを統合しセグメントを作る「Audience Studio」、シナリオを設計する「Customer Journey Orchestration(CJO)」、そしてメールコンテンツの作成と配信を担う「Engage Studio」を組み合わせることで、顧客データを起点に、セグメント・コンテンツ作成からシナリオ設計、配信、効果検証までを一つの基盤で進めやすい点が特徴です。
Customer Journey Orchestration(CJO)やEngage Studio、Treasure Data全体の機能については、以下のブログもあわせてご覧ください。
・Treasure Dataの『Customer Journey Orchestration(カスタマージャーニーオーケストレーション)』とは?機能と使い方を解説
・Treasure Data『Engage Studio(エンゲージ・スタジオ)』とは?
・Treasure Data(トレジャーデータ)とは?特徴的な機能や導入事例をご紹介
Salesforce Marketing Cloudとは?
Salesforce Marketing Cloudは、Salesforceが提供するマーケティング領域の製品群です。近年はAgentforce MarketingとしてAIエージェントを活用したマーケティング体験も打ち出されています。
本ブログで比較対象とする製品「Marketing Cloud Engagement」は、シナリオ設計・コンテンツ作成・配信実行までをカバーしています。コンテンツ作成におけるカルーセルや承認フロー、A/Bテストの勝者判定、配信結果の自動レポートなど、MA運用に必要な周辺機能も標準で揃っている点が特徴です。
Treasure AIのMA機能とSalesforce Marketing Cloudの比較
ここからは、実機検証をもとに両者の特徴をメール配信の観点で解説します。
なお、AI機能については実機検証結果ではなく、2026年9月時点での公式サイト情報をもとにしています。
両製品ともAI機能の拡充が続いているため、最新の状況は各社の公式サイトでご確認ください。
| 観点 | Treasure AI | Salesforce Marketing Cloud Engagement |
|---|---|---|
| セグメント作成 |
・CDP内の全データを活用可能 ・CDPの処理エンジンにより大量データ処理に強い |
・保持データは活用可能(データ保持のために前提として顧客データ基盤からのデータ連携が必要) ・大量データ処理は不得意で他ツールでの実施推奨 |
| コンテンツ作成 | ・GUI/HTML両対応 ・パーソナライズは、ノーコードでの簡易的なもの(マージタグ)、コードを用いてより複雑に出し分ける高度なもの(Liquid)、いずれも可能 ・カルーセル・承認フローはなし |
・GUI/HTML両対応 ・パーソナライズは、ノーコードでの簡易的なもの(パーソナライズ文字列・動的コンテンツ)、コードを用いてより複雑に出し分ける高度なもの(AMPscript)、いずれも可能 ・カルーセルや承認フローも標準搭載 |
| シナリオ作成 | ・1ジャーニー内に最大8ステージを作成でき、ジャンプステップで別ステージ/別ジャーニーへ遷移可能 ・待機は最短「日」単位 |
・ジャーニー間の遷移は不可 ・待機は最短「分」単位 ・ルールベースだけでなくEinsteinスコアリング分岐など分岐が豊富 |
| 配信 | ・一括/スケジュール/シナリオ配信に対応 ・送信元は共有IPの自動割当のみ ・配信チャネルはメール以外にも、SMS、LINE、プッシュ通知、アプリ内通知がある |
・共有IPと専用IPを選択可能で配信到達性のリスクをコントロールできる等の利点がある ・配信チャネルはメール以外にも、SMS、LINE、プッシュ通知、アプリ内通知、WhatsApp、Web等がある |
| 配信結果の可視化 | ・配信履歴テーブルをマスターセグメント(会員マスタ)と紐づければ分析可能 ・Audience Agentを使えばレポート作成も可能 ・標準レポートはなし ・A/Bテストは分岐設定はできるが勝者判定までは不可 |
・自動生成レポートが標準機能 ・A/Bテストは専用機能があり勝者判定まで可能 |
| 配信結果のデータ活用 | ・配信履歴がCDP内に蓄積され、次のセグメント条件やシナリオ分岐条件に再利用できる | ・配信履歴の参照は可能 ・顧客データ基盤と統合して活用するには別途設計が必要 |
| AI機能 | 主な機能は以下の通り ・Audience Agentによる、マスターセグメントへのチャットベースでの分析 ・Creative AI Suiteによる、メール文面生成や画像生成、ブランドガイドラインへの適合監査 ・Engagement AI SuiteのAI Signalsによる、送信時間最適化や顧客離脱リスク予測 ・AI Agent Foundryによる、独自AIエージェントの作成・管理 |
主な機能は以下の通り ・いずれもEinstein機能 ・メール文面作成、送信時間最適化、エンゲージメント頻度の最適化、画像のA/Bテストの自動化、エンゲージメントスコアリング |
大きな特徴が出たのは、データ活用の柔軟性とMA専用機能の充実度です。
Treasure AI はCDPそのものが基盤であるため、統合済みの顧客データをそのままセグメントやパーソナライズに使え、大量データの処理に強いという特徴があります。
一方でSalesforce Marketing Cloud は、コンテンツ作成におけるカルーセルや承認フロー、A/Bテストの勝者判定、配信結果の自動レポートなど、メールマーケティングの運用に必要な機能が標準で揃っています。
なお、AI機能について今回参考にした公式サイトは以下の通りです。
▼Treasure AI
Audience Agent
https://docs.treasure.ai/products/customer-data-platform/audience-studio/starting-audience-agent
Creative AI Suite
https://www.treasure.ai/product/creative-ai-suite/
Engagement AI Suite
https://www.treasure.ai/product/engagement-ai-suite/
AI Agent Foundry
https://docs.treasure.ai/products/customer-data-platform/ai-agent-foundry
▼Salesforce Marketing Cloud Engagement
Einstein
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=mktg.marketing_cloud_einstein.htm&type=5
Treasure AI と Salesforce Marketing Cloud の選定の基準
ここまでの比較を踏まえ、自社ではどちらを選ぶべきかの判断軸を解説します。
Treasure AI が向いているケース
- CDP機能もあわせて必要な場合
- 顧客データを活用したセグメント作成から配信、効果検証までをワンプラットフォームで実施したい場合(運用コストが抑えられる可能性もある)
- 大量の顧客データを扱う場合
- AIを活用して自然言語で顧客データの分析をしたい場合
- メールやLINE中心の比較的シンプルな施策から始めたい場合
Salesforce Marketing Cloud Engagement が向いているケース
- MA専用機能を幅広く使用したい場合(機能を使いこなせる体制・スキルを確保できる場合)
- 配信到達性のリスクを自社でコントロールしたい場合
- コンテンツ作成において承認フローが必要な場合
- メール以外も含めた複数チャネル横断の施策を実施したい場合
- 他のSalesforce製品と連携したい場合
まとめ
本ブログでは、Treasure AI のMA機能とSalesforce Marketing Cloudの特徴を解説しました。
Treasure AI は、CDPを起点にセグメント作成から配信、効果検証までを一つの基盤で進められる点が強みで、大量の顧客データを柔軟に活用したメール施策に適しています。対して Salesforce Marketing Cloud は、コンテンツ承認フローやA/Bテスト、配信結果の自動レポートといったMA専用機能が標準で揃っており、複雑でリッチな施策を行いたい場合に有利です。
どちらが優れているかではなく、「自社がどのデータをどう使い、どのような施策を、どのチャネルで実行したいのか」を起点に、目的に応じて最適なMA基盤を選ぶことが重要です。
本ブログ記事が、CDPツール・MAツールの製品選定にあたり、皆さまの検討の一助になりましたら幸いです。
電通総研では、CDP・顧客データ活用のプロフェッショナルとして「これからの顧客体験を発想して創る」ためのご支援をしております。
本記事で取り扱ったようなMA領域についても、現状業務・システムのアセスメントや、MAのリプレースなど、幅広くご相談いただけます。
お悩みの際は、ぜひ電通総研までお声がけください。
◆ 電通総研Treasure Dataソリューション一覧
CDP構想策定
– CDP Pathfinder
– ロードマップ/RFP作成
– PoC支援
CDP構築/運用
– Quick Activation Pack
– カスタマイズCDP構築
*本記事は、2026年9月18日時点の情報を基に作成しています。
製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。
◆ お問い合わせページ:https://data-management.dentsusoken.com/treasure-ai/inquiry/
<筆者>
氏名:杉山 結名(すぎやま ゆいな)
経歴:
2023年、株式会社電通総研入社後、
デジタルマーケティング領域のソリューションエンジニアとしてTreasure AI・Marketing Cloud Engagementを中心としたマーケティングプラットフォーム開発に従事。
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